【コロナ時代の展示会/対談】WEBに使える展示会の知見 パート2

展示会業界にコロナ感染症の大きな影響が出始めた4月28日、展示会営業®コンサルタントの清永(きよなが)健一氏と、日本唯一の展示会集客MC&アドバイザーの岩下利朗氏が特別対談。展示会が開かれない現状に対するこれからの取組みと、展示会の現場で積み重ねた知恵をWEBにどう展開していくべきかについて、展示会業界を本気で変えようとする二人が語った。(聞き手は長谷山晴彦)

自社を分かってもらうという落とし穴

清永

今岩下さんが言われたように、何屋さんかはっきりわかりやすくする場合、大きな落とし穴があって、みんな落ちてますよね。

モーターストリートで、何屋かわかりやすくさせましょう。このモーターは高速駆動で、〇〇回転で回ります、としても、刺さらないんです。

何屋さんかにするのも大事なんですが、相手の悩みにリーチすることができるかが一番大事。

高速駆動するモータならどういいのか。「どういいのか」を先にいうべきですね。

もっというと、来場者がいつも心のなかでつぶやいている言葉、そのままで表現するのが良いと思います。

難しくするのはあとでいい。まず足を止めさせないと駄目なんですよね。

何屋さんでも良いですが、あなたの悩みを解決します、もっと極端にいうと、こんなことで悩んでませんか、そういう投げかけを行うんです。

この悩みがあったら立ち寄れ、以上!・・・でいいと思いますね。

岩下:清永さん、そこはやっぱりお客さんにヒアリングして、どこが刺さりやすいのかっていうのを聞くわけですね。

清永:もうはっきり聞いた方がいいですよね。

岩下:でも、来場者に伝わるレベル感のキーワードって、社内だけで展示会をコンセプトとか作ってても気づかないことがよくありますよね。

清永:そうなんですよ、例えば、「うちのモーターすごく速いから!」ってなっちゃう。

今までこういうスペックだったものが、高速になることで、機械の速度もあげられるから、リードタイムを減らせます!ここまで言ってあげて来場者ってわかるんですよね。

展示会の来場者や、ウェブの閲覧者も同じです。見てくれている方に対して、ここまで一生懸命考えていないんです。思考停止状態になりがちなんですよね。

性能の良いモーターを工作機械を搭載すれば、何が良くなるってかが分りますが、そこまで考えていない。ぼーっと見てしまう。

岩下:無意識ですものね。

清永:それはまさにwebでも一緒だと思うんです。

もし今ちょっと今やることがない営業マンさんや、営業マンたちに指示するタスクがない経営者さんは、Webサイトを充実させることを是非考えてほしいです。

商品のスペックをさらに追加するのではなく、商材がお客さんの悩みを解決するものであるのか、説明や具体的な事例を紹介するだけで、随分変わると思います。

もっと言うならば、新しくWebサイトを立ち上げてもいいんです。

展示会ブースも同じで、会社を紹介するような自己紹介型のブースは、人は立ち止まってくれないんですね。

問題解決型のブースだと立ち止まるのですが、Webサイトでも同じです。

商材ごとに作るというイメージですね。

長谷山:岩下さんはMCをするときは、事前に商品の取材をしていますよね。

どんな話を聞いていますか?

岩下:清永さんが言うように、例えば、お客さんの喜びの声ですね。

その商材で何を喜ばれているのか、それを購入する前にどういう事に悩んでいたのか、そしてどういう解決方法があるのか。最終的に生まれたメリットは何だったか。

そういったことを聞いてますね。

実際に展示会で歩いてる来場者って、出展ブースごとの違いをすごく気にしています。

ですので、そういう違いがどういうところにあるのかをヒアリングしてます。

「御社ならではの特徴って、いったい何なんですか」と聞くと、「こういう特徴があってね、具体的にはこういうことでお客さんに喜ばれたんだよね」っていうのがぽろっと出てきたりするんですね。

それをプレゼンで伝えると、お客さんが立ち止まってくれるんです。そういうのを組み立てていくんです。

でも、そういう強みとか、特徴は、自社ではなかなか普段は見えていないのかなと感じますね。プレゼンを組み立てると、「うちの会社ってこういう魅力があったんだな」となることが結構多いです。

清永:多くの企業は奥ゆかしいですよね。

「ウチは一通りやっているけど、A社もB社もやっているし、ちょっと得意なだけだし」という感じで謙遜されますよね。

そういう会社さんを応援したいですね。

自社の強みが無くてもいいんです パート3へ続く