海外見本市総合管理を生業にして30余年、これまで、バブル崩壊、アジア通貨危機、アメリカ同時多発テロ、サーズ、リーマンショック等艱難辛苦を乗り越えて参りましたが、流石今回のコロナ禍は我が業界にとり、今迄経験したことのない、インパクトで、昨年4月以降展示会は全て、延期ないし中止となりなす術がなくただコロナ禍が収まるのを待つのみでした。
そして待ちに待った海外展示会が9月から一部で再開。私も一年半ぶりのドイツ出張と相成りました。開催地は北ドイツのHusum、風力発電の展示会。
9月14日オープンの展示会でしたが8月から日本で急に感染が拡大。日本がハイリスク地域に指定され、入国後隔離される可能性ありと考え、展示会の後に予定していた得意とのミュンヘンでの打ち合わせを前倒しにし、9月2日に入国致しました。案の定、入国の翌日に日本はドイツからハイリスク地域に指定され、6日から入国の日本人に対し、事実上隔離宣言が出されました(現在は解除されております)。
現在のドイツではホテル、中級以上のレストランでは必ず接種証明を提示する義務があり、マスクは必須。驚いたのはマスクの基準。FFP2マスクというヨーロッパ規格に合致したもの以上のものの着用が求められます。日本の立体マスクと違い、顔面とマスクの密着性が高く鼻の高いドイツ人でも隙間はあまり開かず装着できます。かなりのハイスペックですが、その分、呼吸し難かったです。
待ちに待った現場での仕事、そして見本市の開催。コロナ封じ込めの為、可能な限り、あらゆる策が練られ運営されていました。入場者のマスク着用、接種証明提示は当然のこと、会場内のレストランもドイツ人とは切っても切れないビールの提供はありましたが、とにかくスペースを広く取り、感染予防に最大の配慮がなされていました。
ホールの通路は一方通行(必ずしも守られていませんでしたが)。ブースも二方開以上のブースでは入口、出口が設けられ一方通行、ブースの入り口には消毒用アルコールのボトルスタンドが置かれ、商談スペースはアクリルで間仕切り。一部のブースではご出展者が入国制限等で参加できない為、ウェブミーティング用のスペースを設け、商談をされていました。
最近、ドイツでは再び感染者に増加傾向がみられ、このまますぐにビフォアコロナと同じ状況に戻ることができるか懸念は残りますが、ドイツ人の叡智を結集して切り抜けてくれることを期待しております。