売ろうとした瞬間、展示会は終わる──ドラッカーが教える「売らずに売る」出展術

“The aim of marketing is to make selling superfluous.”
――ピーター・F・ドラッカー


展示会場で、
来場者がブースの前を通り過ぎる瞬間があります。

目が合った。
足も止まりかけた。
——でも、通り過ぎた。

その直前、
スタッフが一歩踏み出して、
こう声をかけてはいないでしょうか。

「こんにちは!弊社は〇〇を扱っていまして——」

この瞬間、
展示会は静かに失敗し始めます。


展示会は「売る場」ではない

ドラッカーは、
マーケティングの目的をこう定義しました。

【マーケティングの目的は、
販売を不要にすることである。】

この言葉を展示会に当てはめると、
多くの常識がひっくり返ります。

・売り込まない
・説明しすぎない
・クロージングしない

展示会で本当にやるべきなのは、
「売らなくても、売れてしまう状態」をつくることです。


人は「買わされる」と感じた瞬間、離れる

展示会の来場者は、
情報を集めに来ています。
決して、
その場で買い物をしに来ているわけではありません。

だから、
「売られそう」と感じた瞬間に、
人は無意識に距離を取ります。

・説明が始まると一歩引く
・名刺を出さずに去る
・「また連絡します」で終わる

これは相手の問題ではなく、
売り方の問題です。


売らずに売れるブースは、何をしているのか

成果を出す出展者は、
展示会で「売る」代わりに、
理解をつくっています。

・何の会社か
・誰のための製品か
・何がどう変わるのか

これらが、
説明される前に伝わっている。

だから会話は、
「説明」ではなく、
「相談」から始まります。


「説明」ではなく「発見」を用意する

売らずに売れるブースには、
共通する仕掛けがあります。

・Before/Afterが一目で分かるビジュアル
・課題が自分ごと化する短い動画
・「あ、それ困ってます」と言わせる一言

来場者は、
自分で“気づいた”ときに、
強く興味を持ちます。

売り込まれたときではありません。


展示会で最強の営業ツールは「動画」

展示会で動画が強い理由は、
売らなくても伝わるからです。

・話さなくても理解が起きる
・感情が先に動く
・記憶に残る

動画を見終えた来場者は、
すでに半分、顧客側に立っています。

その状態で必要なのは、
売り込みではなく、
背中を押す一言だけです。


「売らない」は、何もしないことではない

誤解してはいけません。
「売らない」とは、
放置することではありません。

・やるべきことは、むしろ明確です。
・相手の課題を聞く
・それに当てはまる事例を見せる

「合いそうかどうか」を一緒に考える

これは営業ではなく、
伴走です。

伴走すると、
相手のほうから次を求めてきます。


売ろうとしない企業ほど、次につながる

展示会後、
フォローメールにこう書かれていることがあります。

「展示会では売り込まれなかったのに、
なぜか印象に残っている」

これこそが、
ドラッカーの言うマーケティングの成果です。

売らなくても、
選択肢に残る。


展示会のゴールは「購入」ではない

展示会のゴールは、
受注でも、契約でもありません。

・また話したい
・社内で共有したい
・上司に見せたい

この状態をつくれたら、
展示会は成功です。

購入は、
そのずっと先にあります。


「売らずに売る」は、戦略である

ドラッカーの言葉は、
展示会の姿勢を変えます。

【売ろうとするな。
理解をつくれ。】

次の展示会、
ブースに立つ前に、
こう問いかけてみてください。

「この展示は、
売らなくても伝わるだろうか?」

その答えが「Yes」なら、
展示会はすでに、
半分成功しています。

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