こんにちは。展示会ウオッチャーの酒井です。
発想の転換で「木材廃棄量ゼロ」を目指す/デザイン会社が提案する展示会ブースの新構法「再生板紙構法」とは?
との興味深い記事がありましたのでご紹介します。
https://finders.me/kqFQxAiuQqnm9kF78Q
スーパーペンギンの手掛ける展示会ブースでは、大量の木材が使用された後、廃棄されており、東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪という主要展示会場の3会場だけで、年間2万トン規模に達するという推計もある。会期数日で役目を終える木工ブースの構造は、長らく業界全体の大きな課題となっている。
こうした状況を変えるため、スーパーペンギンでは昨年比引き続き自ら出展する 「エコプロ2025」 において、木工と同等のデザイン自由度を保ちながらも木材廃棄量を大幅に削減する展示会ブース施工における 「再生板紙構法」 を紹介する。今回は実物ブースを使った解説に加え、導入を検討する企業向けにプレゼンスペースを設けるなど、より一歩踏み込んだ内容となっている。
スーパーペンギンが着目したのは、構法そのものを刷新するのではなく、材料だけを 「置き換える」 という発想である。木工ブースが持つ寸法自由性や施工性をそのまま保ちながら、構造材を再生板紙に変更することで、撤収後は紙として再利用できる。経師紙貼りやビス留めも行えるため、職人の業務内容はほとんど変わらない。この 「現場が大きく変わらない」 点が、普及の鍵になると同社の代表で展示会デザイナーの竹村尚久氏は考える。
展示会産業における「数日で廃棄される木工ブース」の問題は、長年指摘されながらも、現場の慣習や施工体制の問題から大きく変わらないまま来てしまった領域です。展示会に出展されたことのある方なら、会期終了と同時に、多くの作業員さんが待ってました!とばかりに手際よく解体してトラックやパッカー車に積み込むのを目にしたことがあるでしょう。私も初めて見た際には圧倒されました。
そうした中、スーパーペンギンが提案する「木工の構法は変えず、リサイクルした材料だけを置き換える」というアプローチは非常に現実的で魅力的だと感じます。施工の自由度や職人のスキルを活かしながら、廃棄物を大幅に削減できる点は、単なるコンセプトに留まらず、業界全体の実装可能性を大きく押し広げるものです。現場が大きく変わらないからこそ、普及の余地があるという視点には深く共感します。
12月12日(金)の最終日15:50からは、代表の竹村尚久氏が「エコプロステージ」に登壇します。竹村氏は、再生板紙構法の意義や、現在の展示会ブースが抱える課題についてわかりやすく紹介する予定です。
https://messe.nikkei.co.jp/ep/cat880/stage-exhibition-booth-2025.html
従来の木工材料に比べてコストが約1.5倍とのことで、そこら辺がハードルとなっているようです。展示会の未来をより持続可能な形に変えていくために、業界全体がこうした取り組みを真剣に受け止めるべきだと思います。
試案:コストが高いというハードルをどう乗り越えるか?
「再生素材は高い」というイメージがありますが、展示会の資材コストは素材価格だけではありません。運搬費や廃棄費も大きな割合を占めています。
つまり、運ばないこと、そして廃棄を効率化することによって、素材コストの差を十分に埋めることができるはずです。
具体的な解決策として、以下の仕組みを提案します:
こうしたエコシステムが構築できれば、再生紙構法に伴うコスト増は十分に解消できるはずです。
東京ビッグサイトは、責任ある持続可能な展示会運営として、これらの施策を率先して導入してはどうでしょうか。
実現すれば、世界にも類を見ないサステナブル展示会モデルとして高く評価されると考えています。