【コロナ時代の展示会/対談】WEBに使える展示会の知見 パート1

展示会業界にコロナ感染症の大きな影響が出始めた4月28日、展示会営業®コンサルタントの清永(きよなが)健一氏と、日本唯一の展示会集客MC&アドバイザーの岩下利朗氏が特別対談。展示会が開かれない現状に対するこれからの取組みと、展示会の現場で積み重ねた知恵をWEBにどう展開していくべきかについて、展示会業界を本気で変えようとする二人が語った。(聞き手は長谷山晴彦)

清永

岩下さんのお客様先、展示会中止の影響受けていますか?

岩下

もう完全に中止になって影響うけていますね。

今、お客様先では、中止になったことで、1回ゼロベースにして、そこから会社の方も全く動けないっていう状況ですよね。

清永

僕のところでも同じで、2月の末ぐらいまではあるのかないのかという話で、早く元に戻ってほしいみたいな雰囲気だったのですが、緊急事態宣言の話が出てきて一変しましたね。

事業活動自体が一旦ストップしましょう、という事になっていますからね。

岩下

皆さん、段々とそうなってきていますよね。対応をどうしたらよいかわかないので一旦停止!と。

清永

そういう企業さん、結構多い気がしますが、非常にもったいないと思います。

今からコロナがどうなるかわからないですけども、安倍首相の話だと5月6日で緊急事態宣言を終わらせます、と言っていましたけど、終わるかいうのは誰にもわからない。

僕が思うに、もう3年間続くと想定して、外出できない、展示会ができないどころか、営業マンが客先に面談訪問できない状況が、3年続くと思ってビジネスを今、作り直すチャンスだと思うんです。収まれば収まったで現状に戻せばよいですからね。

そのヒントというのは、いろいろ展示会の中にあると思っています。

岩下さんは、展示ブースに人だかりを作るというノウハウをお持ちじゃないですか。

岩下

はい、いつも作っています。(笑)

清永

あれを、ネットでもウェブでもね、同じように展開できるのではないかと思うのです。

この状況で、我々ができることって、人に会えないこの状況でどうするかを考えることだと思うのですよ。

人を集めること、興味をひくことは、展示会もネットも同じではないかなと。

岩下

そうなんですね。実際によくある例なのですが、展示会の出展担当者の現場での悩みとして、「ひょっとしたら、来場者が、ウチのブースに気がついてないんじゃないか?」と気づく方が多いのです。

なんでなんだろうな・・と、私も追求してたんですけども、出展者側で伝えたいところ、訴求したい情報と、来場者が知りたい情報って、大きなズレがあるんじゃないかと。

今まで私はお客様には、そのズレを修正してみましょう、ということをお伝えしてきたんです。

この点が、実際にネットとかDMとかの、「訴求のマッチングをさせる」という意味で、同じなんですよね。

清永

なるほど。面白い視点ですね。

岩下

そうなんですよ。実際に私が一緒に組むまで、ずーっとお客さんが自分でMCとして立っていても、人が集まらなかったケースが有りまして、私もなぜなのかなと研究しちゃいまして。

で、自分でも来場者としての視点で展示会を回っていると、何屋さんかわからないブースが非常に多い。何でそんなことが起きてるのかって私も考えたんですけど、清永さん、これなんでだと思います?

清永

分からないブースが多い・・それはね、やっぱり、自分が言いたいこと言ってるからそうなったんですよ。

岩下

そうです。言われる通りです。

清永

でも、分かんないブースを作ってる人が、来場者として別の展示会に行った時に、なんかブースわかりにくいよね、なに屋さんかわからない、と言ってしまう謎のループ現象が発生しまっていますよね。

岩下

これは、自社のことはわかりすぎてるから、全部言いたくなっちゃう、こういう心理から来ているんだと思うんです。

長谷山

わからないブースって・・例えばどんなブースですか?

岩下

例えばそうですね、製造系の展示会があったとしますよね。僕が担当したクライアントさんがモーター屋さんだったんですけど、製造系の展示会なので「モーターゾーン」みたいなところがありますよね。

長谷山

はい。

岩下

モーターストリートみたいな感じですよね。そこで当然、モーター屋さんがいっぱい並んでいます。でも、なに専門のモーター屋さんなのかっていうことを明確にしてないブースが非常に多いんです。

言ってみれば、極端な例ですけど、「うちはモーターの製造販売をしています」というのを、キャッチコピーに書いたとしても、来場者さんからすれば、「そりゃそうだよね」になりますよね。

清永

モーターストリートですからね。

岩下

そうなんです。当たり前のこととか、来場者がわかりきってることを表現しているんです。

これが、「わかりにくいブース」となってるんです。結果的に集客につながっていないって

いうことになるんです。

あと逆に、専門用語使いすぎているという場合もあります。来場者がわからない。

それから、先程清永さんがおっしゃってたように、自分の会社では当たり前で使っている言葉がお客さんには伝わらない。伝わっていない。

来場者さんが気づく言葉とか、キーワードがブースに展示してあれば、それはオッケーなんですけども、そうでないケースが非常に多い。

私は、「もう素人でもわかるぐらいに一回レベル落としてみたらどうですか」といつもお伝えしてるんです。その方が幅広く来場者さんを拾えます。そこから、伝えるストーリーを組み立てていくのです。実は私は、そのストーリーを組み立てるお手伝いをすることが、MCとして現場でお話をすることよりも重要なプロセスなんですね。

わかりやすくさせましょうという落とし穴 パート2へ続く