ドイツの自動車事情(タンデムの大賀氏による寄稿)

我々の仕事は何時に終わるかわからないので、車は理想の移動手段です。ふた昔前までは、日本で年間10,000㎞、ドイツでも同距離位車で移動しておりました。当時はレンタカーが非常に安く、円貨換算で100,000円位で1ヶ月メルセデス190クラス、BMW3シリーズクラスが借りられました。車好きな私にとり最高の時を過ごすことができました。そしていろいろと学ぶことができました。

当時、日本ではまだ一般的でなかったABS,トラクションコントロール、横滑り防止装置はレンタカーにも標準装備。まだ頭の中だけで理解していたシステムを実際、体験する機会にも恵まれました。

アウトバーンは日本人が考える“速度無制限”というのは全くの嘘で80%位は速度制限があります。取り締まりも非常に厳しく、100km/h制限ですとカメラは110km/hで作動します。驚きました。日本では+30km/hで作動するので。

ただ日本と違い、速度制限設定は理にかなった速度なので納得できます。スピード違反はされど、慌てる必要は、当時はありませんでした。レンタカーを借りる際、日本の住所を登録しておけばお咎めなしでした(現在はレンタカー会社経由で反則金請求が日本に送られて来ます)。

アウトバーンは南部では片側4車線のところも多く、ここでは一番左(日本での右)はポルシェ、フェラーリ専用道路になることも。されど上には上があるもので、その後ろからマセラッティが “ポルシェ君、フェラーリ君、そこのけそこのけマセラッティが通る” とパッシングを浴びせポルシェ、フェラーリが道を譲るという光景も運が良ければみることもできます。

リミッターに関しては、ドイツ車はポルシェはリミッター無し。他は講習を受ければリミッター解除申請が通ります。やはりポルシェは特別な存在です。

一般道では、日本人は左折時(日本での右折)も注意せねばなりません。直進車がかなり遠くにみえても待たねばなりません。とにかく“ドイツの道交法”は厳しいものです。

されど警察も人の子、ドイツ語を話さず、英語でまくしたてれば、あるいは謝りさえすれば、かなりの率で許してもらえます。あるいは罰金も減額してもらえます(警察官は減額の権限があります)。

以前左折時、優先違反でパトカーに停止を命じられた時、英語でまくしたてたら二人の警官は“英語でどう説明したらいいのだろう”と話し、“もう面倒だから行かせよう”との結論で許してもらいました。洋の東西を問わず、“外人”は得です。

ドイツ(旧西ドイツ)では、飲酒運転を禁止するのは“文化の破壊”と考えられてきました。ニーチェ、カントを語る時はビール片手にが鉄則。当時は350mlのビール三本位迄はお構いなしでした(血中濃度0.8mg/ml)。 されど、ドイツ統一を経て(旧東ドイツは血中アルコール濃度0.00mg/ ml)現在は350mlのビール一本(血中濃度0.5mg/ml)が許されるのみ(体重にもよりますが)。文化の破壊、極まれり(日本では0.3mg/ml、世界のワースト3に入ります)。

ドイツ政府は、一部撤回はしたものの2035年までに内燃機関自動車の原則販売禁止に踏み切りました。残念無念。原発を全廃、電力は70%を原発に頼っているフランスからの供給にかなりの部分を頼っています。ドイツの自動車業界、ひいてはドイツの地盤沈下が心配です。風力発電、太陽光発電では張っていますが。動向を掴みたい方は、ぜひ下記の展示会にご参加ください。

HUSUM Wind 2023 – 2023年09月 | 世界の見本市データベース(J-messe) – ジェトロ (jetro.go.jp) 

WindEnergy Hamburg 2022 – ハンブルク風力エネルギー国際総合展 – 2022年09月 | 世界の見本市データベース(J-messe) – ジェトロ (jetro.go.jp)

E-world 2023 – Energy & Water – 2023年05月 | 世界の見本市データベース(J-messe) – ジェトロ (jetro.go.jp)  

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