モニターで流すコンテンツで、時間のかかるものはNG。パッと見てわかるものにしよう。
展示会のブースでモニターを活用する企業は年々増えています。
動きのある映像は確かに目を引きますし、ブランドイメージを強く印象づけることもできます。
しかし、どんなに高画質で美しい動画を作っても、「来場者が最後まで見てくれない」のでは意味がありません。
展示会の来場者は、1つのブースに立ち止まる時間が平均してわずか数十秒。
つまり、動画が最初の3秒で伝わらなければ、次のブースに流れてしまうのです。
これはテレビCMやSNS広告よりも厳しい世界。歩きながらチラッと見るだけの人に、“瞬間で伝える力”が求められます。
だからこそ、モニターで流すコンテンツは「短く・分かりやすく・一目で伝わる」ことが鉄則です。
「ストーリーで伝える」「ナレーションで丁寧に解説する」といった動画構成は、展示会の現場ではむしろ逆効果になりがち。
来場者の足を止めるためには、ストーリーではなく「インパクト」が必要なのです。
例えば、最初のカットで製品が動く瞬間や、劇的なビフォーアフターを見せる。
あるいは数字やキーワードを大きく打ち出し、「3秒で伝わる事実」を一枚の画面で提示する。
「何をしている会社なのか」「この製品は何に効くのか」――それだけでも伝われば、来場者は立ち止まり、次の行動(質問・商談)につながります。
映像時間の目安としては、1本あたり15〜30秒が理想的です。
60秒を超える映像は、ほとんどの来場者が途中で離れてしまいます。
もし長い説明が必要な場合は、「短い映像で引き付けてから、詳細動画をタブレットで再生する」など、段階的に情報を見せる工夫をしましょう。
また、展示会では音が聞こえにくい環境も多いため、テロップやアイコン、動きのある文字を活用することが重要です。
音声説明に頼らず、映像だけで理解できる構成にすることで、どんな状況でも情報が伝わります。
「無音でも伝わる動画」こそ、ブース映像の理想形です。
もうひとつ意識したいのが、「リピート効果」。
展示会では動画が何度もループ再生されるため、一度見た人がもう一度見ても飽きないテンポが求められます。
テンポの良い編集、キーワードの繰り返し、短いシーンの切り替え――これらが、映像を「止まって見たくなる」ものに変えます。
逆に、ナレーション中心の説明映像や、5分以上のプレゼン動画を流し続けているブースは要注意。
来場者に「長そう」と思われた瞬間に、視線は離れてしまいます。
展示会は映画館ではありません。映像は語るのではなく、「見せる・惹きつける・誘導する」ためのツールです。
「パッと見てわかる」を極めた動画は、たとえ15秒でも強い印象を残します。
それが「製品名」でも「数字」でも「シーン」でも構いません。
来場者が“直感で理解できる”映像は、スタッフの説明よりも早くメッセージを届けてくれます。
つまり、ブースで流す動画の目的は「理解させる」ことではなく、「興味を引く」こと。
動画で語り尽くす必要はありません。
短く、強く、わかりやすく――。それが展示会の映像制作における黄金律です。
そして本当に伝えたい内容は、来場者が立ち止まった後、スタッフが直接説明することで深めればいい。
モニターは、あなたの話を聞いてもらうための“呼び込み役”なのですから。
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