展示会の成功は、名刺を何枚集めたかでは決まりません。
本当の勝負は「展示会のあと」にあります。
展示会後のフォローアップが雑であれば、せっかく獲得した名刺はただの“紙切れ”になってしまいます。
ここでは、成果につながるフォローアップの設計ポイントをご紹介します。
① まず分類!「名刺の山」を“行動の地図”にする
展示会終了後、獲得した名刺はまず以下の観点で分類しましょう。
・即時対応すべきホットリード(すでに課題意識が強く、導入検討に入っている)
・ナーチャリングが必要なミドルリード(興味はあるが、今すぐではない)
・情報提供型のフォローが有効なコールドリード(情報収集中で関心が浅い)
この分類には、展示会当日の会話内容の記録が重要です。
CRMへの記録がきちんと行われていれば、自動的にグルーピングすることも可能です。
② 「会期直後の2営業日以内」に最初の接点を!
展示会後のスピード感は命です。
少なくともホットリードに対しては、2営業日以内にお礼メール+商談打診を行うべきです。
ここで大切なのは、テンプレートメールだけで済まさないこと。
展示会での会話の要点を引用して、「〇〇についてご興味をお持ちだったとのことで、追加の資料をお送りします」など、“あなたとの会話を覚えています”という個別性を出すことが鍵です。
③ ミドル・コールド層には「自動化×価値提供」
すぐに商談にはならなくても、将来の見込み顧客になる可能性のある層は、マーケティングオートメーション(MA)などを使い、段階的に興味を深めてもらう仕掛けをしましょう。
例えば、
・1週目:展示会のお礼+お役立ち資料のリンク
・2週目:他社事例や導入の成功ストーリー
・3週目:よくある課題とその解決方法 など
シナリオを事前に組んでおくことで、展示会後の工数を減らしながら質の高いフォローが可能になります。
④ 効果検証と学びの蓄積
最後に、「展示会のROI(投資対効果)」を測定するために、フォローアップ結果の定点観測を行いましょう。たとえば:
・獲得名刺数のうち、商談化した割合
・商談化したリードの成約率
・最終的に得られた売上(LTV含む)
これらのデータを蓄積・分析していけば、「どんな展示会が自社にとって相性が良いか」「どんな接客やフォローが効果的か」が見えてきます。
展示会はスタート地点に過ぎません。
名刺を得た瞬間から、「育てていく」意識が重要です。
「記録」「分類」「スピード対応」「自動化」「効果検証」──これらを仕組み化すれば、次の展示会での成果も、さらに大きくなるはずです。
次回は、「出展テーマの設計とストーリー作り」についてご紹介します。