効果的な展示会ブースの作り方 基本その7「展示会の後が本番!名刺フォローと育成設計」


展示会は、多くの名刺を獲得し、多くの人と出会える場。しかし、それはあくまで「きっかけ」に過ぎません。本当に成果が生まれるのは、展示会が終わった後なのです。
ここで手を抜いてしまうと、せっかくの出展も“イベントで終わったね”になってしまいます。

今回は、展示会終了後の名刺フォローと見込み客の育成設計について考えてみましょう。

① 名刺の「整理」を最優先

展示会後、まず最初にすべきは「名刺の仕分け」です。獲得した名刺を一括で扱ってはいけません。

たとえば、以下のような分類が効果的です:

・Aランク:明確なニーズがあり、短期で商談化しそうな方

・Bランク:ニーズはあるが時期が未定、または決裁者ではない

・Cランク:情報収集中、学生・業者など今は対象外

この分類に応じて、フォローのやり方・スピード・担当者を変えることが肝心です。

② お礼メールだけで終わらせない

展示会後に「ご来場ありがとうございました」の一斉メールを送るだけでは、他社と差がつきません。

個別化されたフォローがポイントです。名刺獲得時のメモ(会話内容、興味分野など)が活きます。
例えば:

・「〇〇にご興味があるとおっしゃっていたので、詳しい資料を添付いたします」

・「先日ご質問の件について、技術部に確認した内容をご連絡いたします」

こうした“文脈ある接点”こそが、エンゲージメントを深めます。

③ 育成設計=ナーチャリングシナリオを描く

名刺交換をしたその日から、成約につながるまでには時間がかかるケースが大半です。
そこで重要なのが、育成(ナーチャリング)シナリオの設計です。

たとえば:

・展示会1週後:お礼メールと資料送付

・2週間後:製品の導入事例を紹介するメール

・1ヶ月後:セミナーへの招待

・2ヶ月後:営業担当が訪問 or オンラインミーティング提案

このように、時間をかけて信頼と理解を育てていく“計画”が必要です。

④ CRMを活用して「次回展示会」に活かす

どの名刺が、どのシナリオで商談化・成約したのかをCRMで管理・分析することで、次回の展示会戦略がより精緻になります。

どんな業種が反応したか?

どのキャッチコピーが刺さったか?

どんなフォローが効果的だったか?

これらのデータは、展示会の“投資対効果”を測る上でも非常に重要です。

まとめ

展示会は「終わった瞬間が、スタートライン」。
名刺は“可能性のかたまり”に過ぎません。
そこから商談や契約につなげるためには、緻密なフォローと育成戦略が必要です。

展示会で得た接点を、どうやって“顧客”に育てるのか。

この「育て方」が、展示会出展の成否を決めると言っても過言ではありません。

次回は「展示会での成果を数値で可視化するレポート作成のコツ」について掘り下げます。