大型テレビモニターで、展示会に持ち込めない大きなものを説明する
― 現場にない製品を“リアルに伝える”10の活用例
展示会では、製品そのものを見せることが最も説得力があります。
しかし実際には、「大きすぎて持ち込めない」「設置にコストがかかる」「現地で稼働できない」などの理由で、実物展示が難しいケースも少なくありません。
そこで近年、多くの出展者が採用しているのが――
「モニターで大きな製品や現場を“映像展示”する方法」です。
動画を使えば、巨大な設備も、工場のラインも、完成後の導入現場も、ブースの中に“持ち込む”ことができます。
ここでは、実際の展示会で効果的な活用例を紹介します。
① 工場ライン・生産設備の稼働映像を見せる
製造装置や生産ラインなどは、会場に持ち込めない典型的な例です。
その代わりに、実際の現場での稼働映像をモニターで流すことで、動き・スピード・工程の連携をリアルに伝えることができます。
例えば「原料投入→加工→梱包」の流れを早回しで見せるだけで、技術力や生産効率の高さを直感的に理解してもらえます。
おすすめ演出:上空からのドローン映像やタイムラプスで“スケール感”を強調。
② 建設・土木機械の現場映像を再現する
クレーン、ショベル、舗装機械など大型建機は実機展示が困難です。
映像なら、現場での稼働シーンや安全性の高さを、汚れや騒音のない環境で見せられます。
また、CGで断面構造をアニメーション化すれば、実際のメカニズムも明確に伝わります。
例:工事現場のドローン映像+CADモデルの重ね合わせで、ダイナミックかつ理解しやすい構成。
③ 建築・インテリア業界での「完成空間」紹介
住宅・内装・什器業界では、完成後の空間を再現することが効果的です。
大型モニターに施工事例動画を流すことで、「このブースの設計会社が作るとこうなる」という完成イメージを即座に伝えられます。
写真パネルよりも、照明の光り方や空間の奥行きが分かるため、感性に訴える展示になります。
例:リビング・オフィス空間のウォークスルー映像+ビフォーアフター比較。
④ 大型車両・輸送機器の紹介
トラック、鉄道車両、航空機、船舶などは物理的に展示不可能ですが、モニターがあれば“疑似実物体験”が可能です。
車両内部のカメラ映像や、走行中の外観映像を組み合わせて再生すると、来場者はまるで乗り込んだような感覚を得られます。
例:ドライバー視点の運転映像を流し、「静粛性」や「視認性」を体感させる。
⑤ プラント・発電・上下水道などのインフラ設備紹介
社会インフラ関連の展示では、現地の設備を見せられない代わりに、スケール感と信頼性を映像で演出します。
ドローンで撮影した全景映像に、CGで水や電力の流れを重ね合わせると、非専門家にも分かりやすくなります。
例:ダムや発電所の360°映像+CG断面アニメーションで“巨大さと仕組み”を両立。
⑥ 農業・畜産・食品加工の現場映像
食品機械や農業関連の展示では、「清潔な環境」「丁寧な作業」「安心安全のプロセス」を映像で見せるのが効果的です。
たとえば牧場や工場の衛生的な環境を見せることで、信頼性とブランド価値を訴求できます。
例:飼育→搾乳→加工→出荷の流れをストーリー仕立てで編集。
⑦ 大規模イベント・舞台装置の紹介
展示会場では実際のステージ設備を再現できませんが、映像で“ライブ感”を届けられます。
照明・音響・映像演出のシンクロ動画を流せば、まるでショーを見ているような迫力を演出可能。
例:会場演出のリハーサル映像を編集し、「導入後の臨場感」を再現。
⑧ 都市開発・スマートシティ・交通シミュレーション
都市モデルや道路交通網はスケールが大きく、模型展示にも限界があります。
そこで、3DCGや航空写真を活用した“映像マップ型展示”が有効です。
建設前後の比較や、夜間照明シミュレーションなど、静的パネルでは伝わらない情報を動きで見せられます。
例:開発区域の3Dモデルを動かしながら説明し、未来都市構想を可視化。
⑨ 工程・システムの「見える化」プレゼンテーション
ITシステムや制御装置など、目に見えない製品も「モニターで工程を映像化」することで理解が深まります。
たとえば、データがどのように流れ、どこでAIが判断し、どんな結果を出すのか――
これをアニメーションで表現すれば、非技術者にもすぐ理解できます。
例:制御システムの信号フローをアニメ化し、「可視化された信頼性」をアピール。
⑩ Before/After動画で「導入効果」を伝える
大きな製品を見せられない場合でも、「導入前と後で何が変わったか」を映像で見せることで、結果を体感させる展示が可能です。
実際の現場映像にナレーションを加え、「導入前:10人作業 → 導入後:自動化で3人対応」など、成果を視覚的に伝えられます。
例:工場の効率化映像を流し、短時間で「この製品がもたらす価値」を実感させる。
まとめ:モニターは“持ち運べるショールーム”
モニターを使えば、「持ってこられない=見せられない」時代は終わりました。
巨大設備も、遠隔現場も、完成空間も、映像を通じてその場に再現できます。
来場者が理解できるだけでなく、
・「動いているから信頼できる」
・「実際の現場が見えるから安心できる」
・「自社導入後の姿が想像できる」
といった“感情面での納得”を引き出せるのが、映像展示の大きな強みです。
展示会は「体験の場」であり、「想像を形にする場」。
あなたのブースにも、ぜひ“モニターという窓”を設けて、来場者をリアルな現場へ誘ってみてください。