展示会では、こんな光景をよく目にします。
「とにかく声を掛けろ」
「前を通る人、全員にアプローチしろ」
確かに、何もしなければ何も起きません。
しかし本当に、ブースの前を通る全員に声を掛ける必要があるのでしょうか。
結論から言えば、答えは「いいえ」です。
展示会におけるブースの本質的な役割は、
興味のある人と、そうでない人をふるい分けることにあります。
1. 展示会は「全員が見込み客」の場ではない
・展示会場を歩く来場者は、目的も温度感もバラバラです。
・明確な課題を持ち、解決策を探している人
・情報収集のために広く見て回っている人
・付き添いや空き時間で何となく歩いている人
この全員を同じように「見込み客」と扱うのは、
現実的でも、効率的でもありません。
ブースは、
すべての人を引き寄せる磁石ではなく、
必要な人だけを引き寄せるフィルターです。
▶ 問い
あなたは、来場者全員を「同じ見込み客」として扱っていませんか?
2. 良いブースほど「選別」が起きている
成果を出しているブースには、ある共通点があります。
それは、近づく人と、素通りする人がはっきり分かれていることです。
・キャッチコピーを見て足を止める人
・パネルをじっと読む人
・展示物を覗き込む人
一方で、興味のない人は自然と通り過ぎていきます。
これは失敗ではなく、成功のサインです。
誰にでも声を掛けなければ成り立たないブースは、
「誰のためのブースか」が曖昧な可能性があります。
▶ 問い
あなたのブースでは、
「自然に集まる人」と「自然に離れる人」が分かれていますか?
3. 声掛けは「引き寄せる」ためではなく「確かめる」ためにある
声掛け=集客、と思われがちですが、
本来の役割はそこではありません。
声掛けは、
相手が本当に関心を持っているかを確かめる行為です。
「どんなテーマでお探しですか?」
「今日は情報収集ですか?」
「今、何かお困りごとはありますか?」
この一言で、
・今すぐ話すべき相手か
・簡単な説明で十分か
・無理に時間を取らせるべきでないか
が分かります。
無差別な声掛けは、
相手にとっても、自社にとっても負担になります。
▶ 問い
あなたの声掛けは、
「捕まえるため」になっていませんか?
それとも「見極めるため」になっていますか?
4. 立ち並ぶこと自体が、ふるい分けの一部である
ブースの前にスタッフが立ち並ぶことには、
意味があります。
それは、興味を持った人が話しかけやすい状態をつくるため、です。
ただし、
・圧が強すぎる
・視線で追いかける
・通行を妨げる
こうした状態になると、
「興味があっても近づきにくいブース」になってしまいます。
理想は、
興味がある人だけが、自然と一歩踏み出せる空気感です。
▶ 問い
あなたのブース前の立ち方は、
「安心して近づける雰囲気」になっていますか?
5. ふるい分けができると、展示会後が変わる
興味の有無をきちんとふるい分けられたブースでは、
展示会後の動きが大きく変わります。
・名刺の山に悩まない
・フォローの優先順位が明確
・商談化率が上がる
数は少なくても、
「話すべき人」とだけ話せている状態です。
展示会は、
名刺を集める場ではなく、関係を始める場。
その入口として、ブースは機能すべきなのです。
▶ 問い
あなたのブースは、
展示会後につながる「意味のある出会い」を生み出していますか?
まとめ:声を掛けない勇気も、戦略のひとつ
展示会において、
ブースの前を通る人すべてに声を掛ける必要はありません。
むしろ重要なのは、
・誰に興味を持ってほしいのか
・誰は通り過ぎていいのか
を、ブース自体が語っていることです。
ブースは、
興味の有り無しをふるい分ける装置。
その役割を理解したとき、
声掛けの質も、展示会の成果も、確実に変わります。