“The most important thing in communication is hearing what isn’t said.”
――ピーター・F・ドラッカー
展示会場で、
こんな光景をよく見かけます。
スタッフが一生懸命説明している。
製品の特長も、実績も、技術的な裏付けも完璧。
——なのに、来場者は途中で時計を見る。
話が悪いわけではありません。
ただ、問いが間違っているのです。
展示会で成果を決めるのは「説明力」ではない
多くの出展者は、
「どう説明するか」に力を注ぎます。
・どの順で話すか
・どこを強調するか
・どの資料を見せるか
しかしドラッカーが重視したのは、
説明よりも問いでした。
【最も重要なのは、
語られていないことを聞く力である。】
展示会の成果は、
話した量ではなく、
引き出せた情報の質で決まります。
悪い問いは、会話を止める
展示会でよくある質問があります。
「何かお困りごとはありますか?」
「どんな製品をお探しですか?」
「ご興味ありますか?」
丁寧ではありますが、
ほとんどの場合、
会話はここで浅く終わります。
なぜなら、
相手は答えに困るからです。
正しい問いは、相手を語らせる
成果を出す出展者は、
問いの形が違います。
「最近、〇〇で時間を取られていませんか?」
「今、一番手間がかかっている工程はどこですか?」
「それ、いつから困っていました?」
これらの問いは、
相手の記憶と感情を動かします。
人は、
自分の話をし始めた瞬間に、
その場に“居続ける理由”を持ちます。
問いは「仮説」から生まれる
良い問いは、
その場の思いつきではありません。
展示会前に、
仮説を持っているかどうかで決まります。
・この業界の人は、今ここで困っているはず
・この工程に、見えない無駄があるはず
・表では言わないが、本音はここにあるはず
この仮説があるからこそ、
問いが鋭くなります。
展示会で本当に聞くべきこと
ドラッカーの言葉を、
展示会の会話に翻訳すると、
こうなります。
・何に困っているか、ではなく
「なぜ困っているか」
・何を探しているか、ではなく
「なぜ今探しているか」
・何を使っているか、ではなく
「なぜそれを変えたいのか」
この「なぜ」に触れた瞬間、
会話は情報交換から、
商談の入口へと変わります。
正しい問いは、売らなくても売れる
問いが刺さると、
不思議なことが起きます。
・説明を求められる
・事例を聞かれる
・名刺を自分から出される
こちらは、
まだ売っていません。
しかし相手は、
「自分ごと」になっている。
これは、
売らずに売る展示会の典型です。
問いがないブースは、説明に逃げる
説明が長くなるブースには、
共通点があります。
問いが用意されていない。
だから、
とりあえず説明する。
とりあえず話す。
とりあえず伝える。
しかし説明は、
問いがなければ、
ただの独り言です。
展示会は「答える場」ではない
展示会は、
正解を提示する場ではありません。
一緒に考える場です。
「それ、どう感じていますか?」
「もしそこが解決したら、何が変わりますか?」
「それ、社内ではどう扱われていますか?」
これらの問いは、
相手の頭の中に、
“未来”を描かせます。
問いが変わると、展示会の質が変わる
ドラッカーは、
問いの力をこう捉えていました。
【正しい問いは、
正しい答えよりも価値がある。】
展示会も同じです。
次の展示会、
ブースに立つ前に、
こう準備してみてください。
・説明資料より、問いを3つ
・製品特徴より、仮説を1つ
それだけで、
展示会は
「話す場」から
成果を生む対話の場に変わります。