顧客を「集める」のではなく、「創る」──ドラッカーが展示会に教えてくれる本質


【“The purpose of business is to create a customer.”
――ピーター・F・ドラッカー】

展示会が終わった直後。
机の上には、分厚い名刺の束。
「今回は結構集まったな」
そうつぶやいて、少しだけ安心する——。

しかし数週間後、その名刺のほとんどが動かないまま、
次の展示会準備が始まってはいないでしょうか。

ドラッカーが言う「顧客の創造」とは、
名刺を集めることではありません。

展示会は「顧客を創る場所」なのか?

ドラッカーは、企業の目的をこう定義しました。

【企業の目的は、利益ではない。
顧客を創ることだ。】

これを展示会に置き換えると、
非常に厳しい問いが突きつけられます。

今回の展示会で、
「顧客になりうる人」を何人創れたのか?

その人たちは、
自社の価値を理解した状態で帰ったのか?

多くの展示会では、
「名刺=成果」という暗黙の前提があります。
しかしドラッカーの視点で見れば、
それは成果ではなく“材料”にすぎません。

顧客は、その場で生まれる

顧客は、
フォローメールを送った瞬間に生まれるわけでも、
商談日程が決まった瞬間に生まれるわけでもありません。

顧客が生まれる瞬間は、
展示会のその場にあります。

「あ、これはうちの課題に関係ある」
「他とはちょっと違うな」
「もう少し詳しく知りたい」

この小さな納得と期待が生まれた瞬間、
顧客の“芽”はすでに創られているのです。

展示会は、
その芽をどれだけ生み出せるかの勝負です。

売り込みすぎた瞬間、顧客は消える

展示会でよく見る光景があります。

・近づいた瞬間に始まる製品説明
・相手の業種を聞く前に始まるスペック解説
・「今だけ」「ぜひ一度」ばかりのトーク

これは顧客を創る行為ではありません。
むしろ、顧客になる可能性を消してしまっています。

ドラッカーの言葉を借りるなら、
展示会でやるべきことは「販売」ではなく「創造」。

売ろうとした瞬間、
相手は「買わされる側」になり、心を閉じます。

顧客を創る展示会ブースの共通点

成果を出している出展者には、
共通する特徴があります。

・ブースを遠くから見ただけで「誰の、どんな課題を解決するか」が分かる
・説明の前に短い動画やビジュアルで“理解”が起きる
・スタッフが話す前に来場者がうなずいている

これは偶然ではありません。
彼らは無意識に、
「顧客を創る設計」をしているのです。

名刺の数を追うのを、今日でやめよう

ドラッカーの教えを展示会に適用するなら、
成果指標はこう変わります。

❌ 名刺の枚数
⭕ 「理解した表情」を見せた来場者の数
⭕ 動画を最後まで見た人の数
⭕ 自分の課題を語ってくれた人の数

これらはすべて、
顧客が生まれかけているサインです。

展示会の本当の役割

展示会は、
「見込み客を集めるイベント」ではありません。

顧客を“その場で創る”ための、最も濃密な3日間です。

ドラッカーの言葉は、
展示会のやり方を根本から問い直します。

【私たちは、
名刺を集めているのか。
それとも、顧客を創っているのか。】


次の展示会、その問いを胸に立ってみてください。
ブースの景色が、きっと変わります。

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