展示会出展が終わると、つい「ひと段落」と思ってしまいがちですが、ここからが社内的にも本当の勝負です。
出展にかかった費用、人員、時間に見合った成果が出たのか? それをチームや上層部に説明する必要があります。
では、「成果」をどのように可視化し、レポートとしてまとめるのが適切なのでしょうか。
① 「名刺数」だけでは不十分
展示会直後によく共有されるのが「獲得名刺数」。
確かに重要な数値ではありますが、それだけで出展効果を評価するのは不十分です。
むしろ以下のような指標を組み合わせて、「質と進捗」の両方から評価する必要があります:
・獲得名刺数(総数)
・Aランク見込み客の割合
・商談化率
・受注率
・受注金額(見込み含む)
・自社ブースでの滞在時間(あるなら)
こういったKPIを事前に設定しておくことで、展示会後のレポートの精度が格段に上がります。
② データとストーリーを組み合わせる
展示会の成果をレポートする際、数字だけを並べるのでは不十分です。
数字に「文脈(ストーリー)」を与えることが重要です。
例:
・「B社は、展示会の初日に名刺を獲得。その後、●●に関心を持ち、2週間後に打ち合わせを実施。見積提示中で、今期中に受注見込み」
・「名刺の約30%は、来場目的が情報収集と回答。今後3か月間でのナーチャリングが必要」
こうしたケーススタディを3~5社ほど盛り込むと、上司や関係者にも「肌感覚」が伝わりやすくなります。
③ 費用対効果も見える化
上層部にとって特に気になるのが「出展費用に見合った効果があったか?」という点です。
展示会にかかった費用(ブース代、装飾費、人件費、パンフ・ノベルティ費用など)と、
見込める受注額・LTV(生涯顧客価値)を比較し、投資対効果を数値で示しましょう。
例)出展費用合計:350万円
見込受注額:900万円(6か月以内)
→ ROI(投資対効果):約2.57倍
④ 次回へのフィードバックを必ず入れる
レポートの最後には、「今回の反省と改善点」も記載するようにしましょう。
展示会は一度限りのものではなく、次回に活かすPDCAの起点となるからです。
例:
・今回、正面のキャッチコピーが弱かった。通路から見たときの訴求力を強化すべき
・商談席の数が足りず、商談機会の取りこぼしが発生。次回は+2席を検討
こうしたフィードバックがあるレポートは、チーム全体の改善意識を高め、次回以降の成果にも直結します。
まとめ
展示会出展の価値は、「やって終わり」ではなく、「やったあとにどう活かすか」で決まります。
数字を集め、ストーリーを描き、示唆を出す。これが“見られるレポート”のコツです。
しっかりとレポートを作成し、次の展示会戦略につなげていきましょう。
展示会は、続けてこそ、進化します。
次は「展示会のPDCAを回すにはどうする?」というテーマに踏み込みます。