IT系展示会でよくある「名刺だけ手早く獲得しよう」戦略の落とし穴


IT系の展示会では、出展企業の多くが「とにかく名刺を多く獲得する」ことを重視する戦略をとりがちです。
通路を歩く来場者に声をかけ、短時間で名刺交換を済ませ、数を稼ぐ。
確かに名刺を多く集めれば、後からアプローチするリストが増え、成果が上がる可能性が高まると考えられます。
しかし、この戦略には重大な落とし穴があります。

近年、競合他社が「エンゲージメントを重視した接客戦略」を取り入れるようになっています。
来場者との対話を大切にし、彼らの課題や関心を深掘りしながら接点を持つ。
こうしたアプローチが主流になると、「ただ名刺を集めるだけ」の戦略は破綻する運命にあります。

なぜなら、名刺を渡した来場者にとって、その企業の印象はほぼゼロに等しいからです。
名刺交換の際にまともな会話がなければ、展示会後にフォローのメールを送ったとしても、「どこの企業だったっけ?」となる可能性が高く、反応率は低くなります。
一方、エンゲージメント重視の企業は、来場者にしっかりと説明を行い、価値を伝え、印象を残すことに成功します。
結果として、フォローの際の返信率が高まり、商談につながる確率が大幅に向上します。

さらに、エンゲージメントの深い接客は、単なる名刺交換を超えて、「関係性を築く」ことができます。
来場者が「この企業のソリューションは自社の課題解決に役立つかもしれない」と感じることで、より前向きな関心を持つようになり、商談へと進みやすくなるのです。

展示会において重要なのは、単なるリードの数ではなく、質の高いリードをどれだけ獲得できるかです。
エンゲージメントを意識した接客戦略を導入し、来場者一人ひとりと意味のあるコミュニケーションを図ることで、競争の激しいIT系展示会でも確実に成果を上げることができます。

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