Bauma2025でのキャタピラー社の展示手法

こんにちは。展示会ウオッチャーの酒井です。
キャタピラー社がBauma2025の参加者にさらなる探求心を抱かせた方法
との興味深い記事がありましたのでご紹介します。
https://www.eventmarketer.com/article/caterpillar-activations-at-bauma-2025/



Bauma Munich 2025は、200カ国以上から60万人の来場者と3,600社の出展者を迎え、会場全体では約186,000平方メートル(200万平方フィート)を超える規模。
この中で最大の面積を誇るキャタピラーは、ブース全体の設計を一新し、すべての動線を中心の「体験ゾーン」へと導くようにデザインしました。

物理的な製品が圧倒的な存在感を放つ中で、製品以外のメッセージをどう届けるかは、キャタピラーのような製造業にとっては常に課題です。そこで注目すべきは、ブース内の「パフォーマンスセンター」ゾーンで展開された施策です。

インパクトのあるAI主導のストーリーテリング

キャタピラー創業100周年を記念した5分間の映画を上映する巨大なシアタースクリーンが、機械の上空高くに張り巡らされ、ブースのメインフォーカスを形成しました。ブース内のOnShowゾーンに設置されたこのセットは、巨大なLEDスクリーンの前に設置された3D反射面「ホロメッシュ」によって、観客にコンテンツの要素をホログラフィックに映し出していました。

参加者は、創業者ベンジャミン・ホルトのトラクターが泥にはまり、車輪の周りにキャタピラを取り付けて前進させるという構想を思いついたというCATの誕生から、パナマ運河の建設と拡張に使用されたCATの機械まで、キャットの誕生秘話を体験しました。

チームは、AIを用いて歴史的なビデオコンテンツの多くを生成し、重要な瞬間の写真を言語学習モデルに通して、感動的なシーンとして再現しました。

照明パターンが変化する巨大なカウントダウン時計ディスプレイは、通行人やブース参加者の注目を集め、1時間ごとに100周年記念映画を鑑賞するのに役立ちました。

建設機械の展示においては、どうしても重機そのもののスケールが大きいため、「ただ並べるだけ」の見せ方になりがちです。しかし、それだけではブランドの魅力や差別化が十分に伝わりません。
そのため、製品の背後にある歴史や技術、そして企業としての思想やビジョンを来場者に深く理解してもらうための工夫や仕掛けが不可欠です。単なる“物の展示”から“ストーリーの体験”へと転換することが、今後の展示成功の鍵になると感じます。

記事には他の仕掛けも紹介されています。興味のある方はぜひ一読してみてください。