展示会やその他のマーケティング活動で獲得したリードの多くは、すぐに購買につながるわけではありません。
特に、展示会の来場者は情報収集が主な目的で、購買を決定するには時間がかかる場合がほとんどです。
そのため、すぐに営業に渡せる「即購入希望のお客様」を除いたリードは、慎重に育成していく必要があります。
この育成過程を効率化し、効果的に進めるために有用なのがマーケティングオートメーション(MA)ツールです。
MAツールは、リードの行動や興味を追跡し、そのデータを基に適切なタイミングでパーソナライズされたコンテンツを提供できるため、リード育成に非常に効果的です。
リード育成のためのMAツール活用法
・リードスコアリングを活用する
MAツールでは、リードスコアリング機能を使って、リードの「温度」を測ることができます。
展示会で得たリードの中には、製品やサービスに興味を持っているものの、購入を即決しない「温かいリード」や「冷たいリード」が含まれています。
これらのリードに対しては、スコアをつけて優先度を設定します。
例えば、製品に関心を示したものの、まだ詳細な質問にとどまっているリードには低いスコアを与え、その後段階的に興味を深めさせるような施策を取ります。
一方で、すでに明確なニーズを持ち、製品に関する質問を積極的にしたリードには高いスコアを与え、早急に営業に引き渡す準備をします。
・パーソナライズされたコンテンツの配信
MAツールの強みのひとつは、リードの行動データをもとにパーソナライズされたコンテンツを提供できる点です。
例えば、リードがウェブサイトで製品情報を閲覧したり、特定のコンテンツ(ホワイトペーパー、ブログ記事、事例紹介など)をダウンロードした場合、その内容に基づいて、さらに興味を持ちそうなコンテンツを自動的に提案できます。
これにより、リードは自分のペースで情報を得ることができ、ブランドに対する信頼感を高めつつ、購買意欲を徐々に育んでいきます。
MAツールを使って、リードがどのようなコンテンツを好んでいるのかを把握し、最適な情報を届け続けることができます。
・タイムリーなフォローアップメールの送信
展示会後、すぐに「サンキューメール」を送るのは良いスタートですが、リードが購入を決めるまでに何度かのフォローアップが必要です。
MAツールを活用すれば、リードの行動に応じて、自動的にメールを送信することができます。
たとえば、リードが特定の製品ページを複数回訪れた場合、そのリードには「この製品に関するさらに詳しい情報」や「他の顧客の事例」を提供するメールを送信します。
こうして、リードが次のステップへ進む準備が整うまで、適切なタイミングでフォローアップすることができます。
・リードナーチャリングキャンペーンの実施
リードナーチャリング(育成)キャンペーンを活用して、リードに価値のある情報を定期的に提供し続けることが大切です。
MAツールでは、これらのキャンペーンを自動化できます。例えば、展示会後に「製品の特徴」「活用方法」「導入事例」などの一連の情報を段階的に配信するキャンペーンを設定できます。
このようなキャンペーンを通じて、リードは製品やサービスに対する理解を深め、購買の準備が整うとともに、最終的に営業担当者に引き渡すタイミングを見極めることができます。
・購買意欲を見極めるトリガーを設定
MAツールを使って、リードが購買意欲を示す行動をトリガーとして設定することも重要です。
例えば、リードが製品の価格ページを訪れたり、見積もりをリクエストしたりした場合、購買意欲が高まった兆候と捉えて、営業チームにアラートを送ることができます。
このタイミングで営業担当者がフォローアップを行い、リードを商談に進めることが可能になります。
リード育成の成功を測る指標
リード育成がうまくいっているかどうかを測るためには、いくつかの指標を追跡することが大切です。
メール開封率:送信したフォローアップメールが開封されているかを追跡します。開封率が高ければ、リードが提供されたコンテンツに興味を持っている証拠です。
クリック率:メール内のリンクやCTA(Call to Action)がクリックされたかどうかを測定します。クリック率が高ければ、リードがさらに詳細な情報を求めていることを示します。
リードの進捗状況:リードがどの段階にいるのか、MAツールで設定したスコアや行動を基に追跡します。これにより、リードがどの程度育成されているか、営業に引き渡すタイミングを把握できます。
まとめ
即購入希望のリードだけでなく、それ以外のリードを育成することは、長期的なビジネスの成長にとって非常に重要です。
展示会で得たリードをMAツールで適切に育て、彼らが購買意欲を持ったタイミングで営業に引き渡すことで、成約率が向上します。
マーケティングオートメーションツールを活用して、リードを効果的に育成し、購買に結びつけるプロセスを自動化・効率化することが、展示会マーケティングにおける成功への鍵となります。ぜひ検討してみてください。
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