展示会で集めた名刺の多くは、まだ商談や購入には結びつかない「情報収集段階」のリード、いわゆる「まだまだ客」です。
しかし、そのまま放置するのではなく、時間をかけて「育てる」ことが、将来的な成果に繋がります。
リード育成の目的は、潜在的なニーズを掘り起こし、需要が顕在化した際に真っ先に選んでもらえる状態を作ることです。
「まだまだ客」を放置するとどうなるか?
展示会後に名刺を営業リストとして活用する企業は多いですが、多くの場合、以下のような課題が生じます。
・すぐに購入意欲がないリードへの営業連絡が徒労に終わる。
・顕在化したニーズが他社に取られてしまう。
・時間が経過すると、リード情報が陳腐化して活用が難しくなる。
こうした問題を回避するには、リードを育成する仕組みを導入し、長期的な視点で関係を構築する必要があります。
リード育成で重視すべきポイント
・段階に応じたコミュニケーション
展示会来場者の多くは、以下の段階に分けられると言われます。
(1)情報収集段階:まだ購入の検討を始めていない。
(2)比較検討段階:製品やサービスを比較し、自社を候補に加える可能性がある。
(3)購買決定段階:具体的な条件が整い、購入を検討している。
情報収集段階のリードに対しては、すぐに営業をかけるのではなく、役立つ情報を提供することで「信頼関係」を構築します。
・継続的な接触で関心を維持
定期的な接触を通じて、自社の製品やサービスを少しずつ認知してもらいます。
(1)ニュースレター:業界の最新情報や製品アップデートを共有。
(2)ウェビナー:専門知識や事例を紹介する場を提供。
(3)ケーススタディ:実際の導入事例を通じて価値を伝える。
・役立つコンテンツを提供する
リードが必要とする情報を適切なタイミングで提供することで、信頼を築きます。
(1)業界動向や課題を解説するホワイトペーパー
(2)製品の使い方を紹介するデモ動画
(3)よくある質問をまとめたFAQ
・次のステップを誘導する設計
情報を提供するだけでなく、リードが次のアクションを起こしやすい仕組みを用意します。
(1)「資料をダウンロード」ボタン
(2)「デモの予約」フォーム
(3)営業担当者とのカジュアルな相談窓口
成功例:時間をかけてリードを育成した企業
ある製造業の企業は、展示会で集めたリードに次のように情報を提供しました。
(1)定期的なメルマガ配信:展示会で紹介した製品の関連事例やトピックを配信。
(2)セミナー開催:オンラインでの技術解説セミナーを案内。
(3)スコアリングを導入:メールの開封やセミナー参加状況を元にリードを評価。
結果として、展示会から1年後に本格的な商談が発生し、売上につながったリードが全体の2割を占めるという成果を上げました。
まとめ
展示会で集めた名刺は、すぐに成果を出すことが難しい「まだまだ客」が大半です。
しかし、焦らずに時間をかけて信頼を築き、少しずつ関心を高めていくことで、「必要になったときに声をかけてもらえる存在」になれます。
リード育成は短期的な成果だけでなく、長期的な成長を支える重要な戦略です。展示会の後こそが、本当のマーケティングの始まりだと考えましょう。
展示会の出展は、会場だけで終わらせてはいけません。なぜなら、見込み客は会場の中だけに居るわけではないからです。展示会を動画化しオンラインで活用する「展示会動画マーケティング」はこちらのページへどうぞ。