展示会を“年に3日”で終わらせない ― “Between Shows マーケティング”とニュースレター戦略 ―

展示会を“年に3日”で終わらせない
― “Between Shows マーケティング”とニュースレター戦略 ―

■ “Between Shows マーケティング”とは

展示会は、企業と顧客が直接出会い、製品やサービスを体験できる貴重な場です。
しかし、展示会が終わると、その熱気は急速に冷め、半年後・1年後の次回開催まで静寂が訪れます。

“Between Shows マーケティング”とは、その「展示会と展示会の間」を「空白期間」ではなく、「関係を育てる時間」として活用する考え方です。
出展者と来場者の接点を継続的に保ち、展示会ブランドや出展価値を365日間維持・拡張していく――。
これが、次の展示会での来場・再商談・再出展につながる、長期的マーケティングの鍵です。

その中心的な手段の一つが、ニュースレターの定期配信です。

■ 展示会後のニュースレターがもたらす価値

展示会後のフォローといえば、「ありがとうございましたメール」で終わるケースが多いですが、それだけでは関係は途切れます。
来場者の多くは「良かったけど、まだ導入検討までは至らない」「気にはなるけど、営業電話はちょっと重い」という“未成熟リード”です。

この層を温め続けるには、定期的な軽い接点=ニュースレターが最も有効です。
「営業されている感」がなく、自然に“思い出してもらう”ことができるのです。

■ 「気になっているけど、今はまだ」層への布石

展示会では、こうした「気になっているけど動けない」層が全体の60〜70%を占めるとも言われます。
この層に半年後・1年後に再び会うためには、定期的な接点の維持が不可欠です。

ニュースレターは、そのための“ブリッジ”です。

・「次回展示会で新モデルを出す予定です」

・「展示会で話題になった製品の活用事例を公開しました」

・「出展者インタビュー動画を公開中!」

こうした軽い情報の積み重ねが、「また会いたい」「また見てみたい」という心理を育てます。
結果として、次回展示会への来場・問い合わせ・再出展が増えるのです。

■ ニュースレターの理想的な運用モデル
① 定期配信(最低でも月1回)

配信間隔が空きすぎると忘れられます。
「月1回×短文構成(読むのに30秒)」を基本に、テンポを維持することがポイントです。

② 展示会×出展者連携型の発信

主催者が出展者の新情報をピックアップして発信すれば、双方のメリットになります。
「出展者の今」を紹介する企画は、次回出展の動機づけにも直結します。

③ 動画・リンク活用で“軽くつながる”

メール本文は短く、詳細はリンクや動画に誘導。
たとえば、インターネット展示会(英語版:WorldTradeShow.tv)に掲載された出展者動画へのリンクを設けると、動画なしのケースと比べるとクリック率が格段に上がります。

④ テーマ別特集で興味を引く

「サステナブル特集」「新技術ピックアップ」「人気ブース再訪」など、テーマを設定すれば、読者の期待感を継続できます。

■ 「また会える展示会」をつくるために

ニュースレターは、ただの情報発信ではありません。
それは、展示会と顧客を“つなぎ直す糸”です。
出展者にとってはリード育成の場であり、主催者にとってはブランド維持の手段です。

“Between Shows マーケティング”の目的は、展示会を「単発イベント」から「持続するメディア」へ進化させること。
ニュースレターは、その第一歩です。
「次に会えるのはこの展示会」という期待を、静かに、しかし確実に醸成していきましょう。

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