インド・ニューデリーの国際見本市会場プラガティ・マイダンで2026年5月に開催予定だった「CEIワールドエキスポ」(インド消費者向け電子機器・コンポーネント・家電見本市)が、主催者によって延期されることが明らかになった。
主催者の公式ウェブサイト上の案内では、当初案内されていた「2026年5月21~23日開催」の日程が消え、「開催日は追って通知」と告知されている。かねて告知されていた5月開催の案内には、外部サイトでも「Mark your calendar for May 21–23, 2026」と記載されていたものの、それらは全て取り下げられ、事実上の延期となった形だ。
主催者・WORLDEX India Exhibition & Promotion社はプレスリリース等で延期理由を明言していない。しかし、昨今の世界情勢が影響したものとみられる。実際、同時期にインド政府が主催する国際会議が「西アジア危機による国際参加者の移動困難」を理由に延期されたほか、関連業界報道では中東紛争発生後に中東便の運休でプネー発着便に影響が出た事例が報告されている。同様の物流・渡航トラブルが、世界各国から多数の出展者・来場者を集めるCEIエキスポにとっても実行困難な状況を招いた可能性が指摘される。
今回の延期発表により、関連企業やディストリビューター、バイヤーらは既に手配した渡航・宿泊プランの見直しを余儀なくされる。展示ブースのキャンセル規約などは公表されていないが、過去にはイベント延期時に出展料返金や次回振り替えなどの対応が採られるケースもある。出展予定企業からは「突然の変更で調整に苦慮している」といった声が漏れ始めている。
延期による地域経済への波及も考えられる。プラガティ・マイダン周辺のホテルや交通機関は、展示会開催時期に宿泊需要が集中する。CEIエキスポは東南アジアや中東からの来訪者も多いことから、渡航客減少が周辺飲食店やタクシー業者にも影響する可能性がある。一方で、商業見本市は地域経済の活性化につながるため、主催者側は改めて安全確保や参加者への配慮を強化しつつ、代替日程の調整を急いでいる模様だ。実際、同会場で2026年5月に予定されていた別の大規模展示会「Bharat Vyapar Mahotsav」も8月に日程変更されたことから、プラガティ・マイダンでのイベント再調整は相次いでいる。
CEIワールドエキスポは、これまで年1回程度のペースで開催されてきたインドの主要電機・電子見本市である。TradeIndia社の案内によれば、第2回は2024年12月12~14日に開催された。最新の第3回は2025年12月11~13日に開かれ、同展示会は電子部品・家電・IT製品などを扱い、グローバルメーカーとインド国内バイヤーを結ぶ場として定評がある。インド政府は電子機器製造促進を重要政策に掲げており、同国の電子産業は近年急成長している。
実際、財務年度(FY)2015年から2025年にかけて生産額は年平均約15%増で推移し、2025年には約1,010億ドルに達するとされる。さらに2030年までにその規模は約5,000億ドルに迫るとの予測もある。このように急拡大する市場を見据えたCEIエキスポ延期の影響は、中長期的には業界全体のサプライチェーンや投資判断にも一定の影響を与える可能性がある。
展示会延期は一時的な調整だが、インドの成長する電子市場の趨勢を踏まえると、今後も同分野の大型商談機会への関心は高い。関係者は、新しい日程が確定次第早期告知を求める声を強めており、業界への影響を最小限に留めるべく対応が急がれている。