CLAMPの考え方(4)-ブースの空気感とは

展示会出展サポート歴20年を超える、株式会社CLAMP(クランプ)の冨永社長に、展示会ブースの造り方を聞きました。

ブースは、どちらかというと演出空間を作るもの。その空気感って大事だよね。

自分はバンドやっていたから、すごいこだわっちゃう。ドラムなんてメロディーとかないから音の強弱とか、表現が難しかったりする。

カフェを作るって依頼があったら、その空間にどういう曲を流したいですかって聞くほうが早い。オーナーがボサノバが好きで、いつもボサノバが流れているカフェを作りたいんですって言われたら、そういうテイストになっていく。

空気感というか、見えないなにかがそこにあるでしょ。そういった目に見えないところも、お客さんってすごい感じたり、聞こえない周波数だけどそれに魅了されたりってのもある。

街のお店とか見ているとわかりますよね。きれいなお店が流行るかというとそういうこともないし。八百屋さんでも、ちゃんと伝えるキャッチが付いていて、この野菜はどこで取れたとか、このとうもろこしはなになにの朝取れだとか、糖度何度とかちゃんと伝えている。そういうのが大事。

そして、八百屋のおっさんのトークとか、熱いライブ感とかがお客を誘うんだよね。

ボロボロの汚い中華屋とかでも、お客がよく来るところは、すごい怖いおやっさんが無口でやっていても来ちゃうんだよね。怖いのは嫌だけどと言いつつ、それも楽しんでいるかもしれないし。わからないよね。

そういうのってあまり計画的に作ろうとしても作れない。簡単に言ったらライブ感だよね。ナマっていうなにかがあるんだろうね。

音楽にもグルーブって言葉があるじゃない?グルーブも計れないよね。これをうまく定義づけしとうと思っても難しい。相手の組み合わせによってグルーブって生まれてくるから。

ブースも色んな要素が絡み合って一つのグルーブ感ができたときに、お客さんがそれをうまく感知して、かっこいい、面白い、となる。

カチッカチッと組み合わせるように、今まで学んできたデザインをやるのって、楽譜を書くのと一緒。楽譜通りに演奏するのと同じ。それじゃ面白い音楽はできない。

ドラムで二拍と四拍でスネア入れるけど、機械はずれずにぴしっと入れる。でもそれって心地よくない。

人間が叩くと、0コンマほんの一瞬ずれたりするのが、聞く側には心地よかったりする。

打ち込みはずっとイントロからアウトロまで同じスピードで行くんだけど、人間が叩くとだんだん早くなっていく。それがドライブ感っていうんだけど、人間を高揚させる。

そんなグルーブ感というか、空気感のある、ライブ感のあるブースを作っていきたいんだよね。

CLAMPの考え方(1)-ブースをどう造るのか

CLAMPの考え方(2)-かっこいいブース?

CLAMPの考え方(3)-ブースを立体的にする

CLAMPの考え方(4)-ブースの空気感とは