こんにちは。展示会ウオッチャーの酒井です。
オンライン展示会はどうあるべきかを考えたときのキーワードとして、bingeable(ビンジブル、ビンジャブル)をご紹介したいと思います。
例えば、Netflixがオンライン展示会に進出してきた場合・・マーケットが小さすぎて歯牙にもかからないでしょうけど(日本のDMMは出てきていますが)、どうするかなと妄想した際に出てきたキーワードが「bingeable」です。
このbingable、調べると、メリアム・ウェブスターというアメリカの辞書が2018年に新語として新しく辞書に追加した単語に「bingeable」がありました。
これはbinge-watchできるような、という意味のスラングです。ビンジブル、ビンジャブルのような読み方となると思います。
bingeを動詞で使うと「過度に何かをする」とのことで、binge-watchは、過度に見る、一気見する、視聴にハマる・沼る(ぬまる)などのような感覚です。
(最初、hinge(ヒンジ)と読み間違えました。ドアがパタンパタンいう感じなのか?と頭が???になりました)
企業のイベントとマーケティング戦略の未来は、企業がストリーミングの巨人やテレビチャンネルと同じように、動画コンテンツを最大限に活用できるようになることです。
となると、イベントの主催者は、バーチャルな展示会のサービスを”bingeable”にするように開発する必要があります。
現在のオンライン展示会はバラバラで繋がりがなく、一貫した視聴体験ができません。
以前ご紹介したゲームショーは、一つのYoutubeチャンネルに各社の番組をつなげ、視聴の継続、ながら観、ができるようになっていました。
またCESでは、整理されたユーザーインターフェースで、それこそメジャーストリーミングサービスのような番組表な感じの見え方でプレゼンテーションを提示していました。
テレビチャンネルは、時系列に沿って配信され、面白くなかったら他局を見るといった「横」だけの選択肢だけだったことが、Youtubeに負けたことだとするならば(Youtubeは早送り、次回の番組に飛ぶ、前回の番組に戻るが自由自在:横プラス縦、なイメージ)、bingeableなオンライン展示会とはどういうものかぼやっと見えてくるのではないでしょうか。
そう考えると、リアルの展示会はbingeableなのですね。会場を早足で回って一気見できますし、気になるものがあれば話しをしてどんどん沼に入っていくことも可能です。
つまり気になるものを探す、テレビのザッピング的なチャンネルの切替え(横)と、気に入ったものがあれば自分が好きなレベルまでどんどん突っ込んでいける情報の深さ(縦)があるわけです。
しかし、リアルにはリアルの限界があります(靴を履いて・その場所に・その時間に行かねばならないとか)。
つまり、オンライン展示会主催者としては、テレビチャンネルになるよりもさらに先に進む必要があるのです。
物理的および仮想的なものをシームレスにキュレートおよびブレンドする機能を組み込む必要があるのです。これにより、リアルとバーチャルの2つが競合ではなく、補完的な共生関係を持つようになります。
2020年で、すべてが変わりました。私が考える限り、ワクチンですぐに世の中は以前の状態に戻る・・ことはありません。オンライン展示会、そしてそれを利用する企業は、シームレスなハイブリッドエクスペリエンスの作成を目指す必要があります。